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小説 パチンカス②

目覚めると良雄はタバコが吸いたくなった。

辺りを見回す。

マルボロのタバコの箱を見つけると残りの本数を数えた。

3本・・・やばい、もうタバコを買う金も無い・・・。

これからどうするか?

何を最初にすべきか良雄には経験から分かっていた。

母親の美津子へ金の無心の電話をする必要があった。

寝る前に脱ぎ捨てたズボンの中の携帯電話を取り出す。

着信履歴があった。

派遣会社の島本からの電話であった。

今日は出勤日だった。

にも関わらず良雄は欠勤の電話もパチンコによるダメージから
それすらもしていなかった。

とにもかくにも母、美津子へ電話を鳴らす。

「もしもし・・」直に60歳になろうかと言う老いた母、美津子の声

「俺だけど・・・言いたくないんだけど・・・少し金送ってくれない?」
「このままだと仕事にも行けなくなりそうだから・・・」

「死になさい!」美津子は悲鳴のような甲高い声を上げるとそのまま電話を切った。

電話は1分かからず、いきなり終話した。

とにかく銀行へ行こう。
金、送ってくれてるかも知れない。

そう思うと着替えをすぐに済ませ部屋を出た。

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